097_トヨタは21世紀のシーゲル銘柄になると予言

2020年7月6日月曜日

99_雑記

t f B! P L
おはようございます。ら~くです。

恐ろしいほど盛り上がらず、都知事選が終わりました。
閑話休題、本日は、トヨタ[7203]について思うところを綴ろうと思います。


テスラが、トヨタの時価総額を抜いた

先週は、「テスラの時価総額がトヨタを抜いた」というニュースが流れましたね。

7/3のThe Economistの記事では、下記の報道でした。
Tesla became the world’s most valuable carmaker, overtaking Toyota, which built 27 times as many vehicles last year. The electric-only manufacturer’s market capitalisation hit $208bn yesterday.

ちきりん氏の考察

Web上では、上記報道について、様々な意見が見られました。

著名ブロガーちきりん氏もtwitterにて意見を投稿されておりました。
ちきりん氏がtwitterでつぶやいていたことを大胆に要約すると
  • トヨタはオワコン
  • トヨタからワクワクするものが開発されたのは、初代プリウス以来、ない。もう20年以上も魅力的な商品がでていない
というような感じでしょうか。

一見、もっともらしい考察ですが、私は違う意見を持っています。


私は、ちきりん氏の言う通り、今後、トヨタから目を見張るようなイノベーションは出てこないかもしれない、という点については同意します。
しかしながら、トヨタは、少なくとも2050年くらいまでは、良いモノづくりをして、しぶとく生き残る可能性があるのではないか、とも思っています。

上記の理由は、最近のトヨタ車のできは本当に良いからです。
カローラ、RAV4、ハリアー などの新車種がここ数年でてきておりますが、実際、かなり魅力的な商品になっていると思います。

なお、私は、BMWのSUVに乗っておりますが、新型ハリアーには心惹かれています(笑)。


シーゲル銘柄とは

株式投資のブログを読んでいる方にとっては、もはや説明不要でしょうが、シーゲルとは、人の名前です。
ペンシルベニア大学ウォートンスクール教授で、ウォールストリートジャーナル、バロンズ、ファイナンシャルタイムズのコラムニストも務めるジェレミー・シーゲル氏(Jeremy J. Siegel)のことです。

シーゲル氏の書籍「株式投資の未来」にて推奨されているような銘柄を俗にシーゲル銘柄、と呼びます。
一例ですが、20世紀では、フィリップモリスなどのタバコ会社や、コカ・コーラなどの食品メーカーです。

華々しい業界の株式ではなく、一見地味な業界の株式の方が実際のリターンが高かった、というようなことをシーゲル氏は主張されております。

なぜ、トヨタが21世紀のシーゲル銘柄になるのか

まず、自動車業界に関することですが、大前提として、私は以下を予想しています。
  • 自動車による移動はなくならない
今回、新型コロナの影響で、むしろ、自動車による移動を好む人が増えるかもしれません。

ちきりん氏は、「運転が嫌いな人マーケティングをしなさい」的な主張をされているのですが、私からしたら、やや的外れな指摘です。

というのも、自動車の購入層は、下記のように分類できると思うからです。
  • 運転が好きな人(車にこだわりがある人):新車を購入する
  • 車にこだわりがなく、田舎に住んでいるなどの理由で仕方なく運転している人:中古車を購入する
で、トヨタなどの完成車メーカーにとって、ターゲットとしているお客様は、前者です。

もちろん、ちきりん氏が指摘するように、顧客層を広げるためには、運転が嫌いな(車にこだわりがない)層の開拓も必要でしょう。
ただ、その開拓は完成車メーカーが行う必要はなく、カーシェアリング会社などが行えばよいのではないでしょうか。
「自動車」というハードを提供するメーカーと「便利に気軽に乗れる」というサービスを提供する会社が同一である必要はありません。

話を戻しまして、新車を購入する層は、車にこだわりがありますから、本人とって「満足感の高い」自動車を選択しようとされます。(私も車を乗り換える際は、この観点で選択します。)
この前提に立つと、「満足感の高い」自動車を製造できるメーカーの車は売れ続けることになります。

そして、トヨタこそが「満足感の高い」自動車を世界でもっともコスパ良く製造できるメーカーだと私は思っています。

余談 電動化の与える影響

巷で見る評論では
  • 自動車も電動化が進み、部品点数も著しく減少するため、日本得意のすり合わせの技術による優位性が無くなる。かつてのパソコン業界のようになり、日本の自動車業界は衰退する
上記は、日本の電機業界が衰退した2000年代ごろからよく聞かれるようになりました。
幸い、現時点では、トヨタやホンダなどはまだ生き残っています。日産は怪しいですが。。。

私は、上記言説は一理あるなと思いながら、完全には同意できません。
というのも、自動車メーカーにとって、原動機の技術は一部に過ぎないからです。

自動車に詳しい人はご存じだと思いますが、昔から、メーカーの垣根を越えて原動機を共有していることは割と一般的です。
(最近の例だと、BMWのZ4とトヨタのスープラですかね。日本車同士ですと、スバルのBRZとトヨタの86。)

自動車に詳しくない人は、
  • では、Z4とスープラは、ほとんど同じ乗り心地ですよね
と思われるかもしれませんが、全然違います。

原動機はあくまで自動車の一部でしかないのです。

私が思う、完成車メーカーの本当の強みが現れる分野は、車体設計のノウハウです。
  • 安全性能が重視され、どんどん鋼板の厚さも頑丈になってきているなか、どのように空間をレイアウトするのか
  • トランスミッションのギア比をどう設計するのか
  • シャーシの設計をどうするか、サスペンションの方式をどうするか
といった要素の方が、原動機なんかより乗り心地には大きな影響を与えます。

ですので、私はパソコンとは異なり、自動車は今後もすり合わせ技術の強みが活かされる業界だと予想しています。


満足感の高い車とは

話を戻します。
私は、21世紀も「満足感の高い」車を製造し続けられる自動車メーカーは生き残ると予想しています。

自動車は、私の感覚では、自宅におくソファのようなものです。
頻度高く使用するものだから、自分にとって心地よい、車を購入できれば、満足感が高まるでしょう。

車で移動する時の心地よさに影響を与える差別化要素とは何でしょうか。

前述しましたが、重要なのは、原動機ではありません。
ガソリンエンジン/ディーゼルエンジン/ハイブリッド/電気自動車/水素自動車、等の原動機の違いは、決定的な差別化要因になりえません。(目先を変える面白さはあります)

心地よさに影響を与える大きな要素は下記の2つではないでしょうか。
  1. トランスミッション(変速機)
  2. シャーシ
トランスミッションは、20年前くらいまでは4速が当たり前でした。それが今や、7速や8速がかなり普及しています。
トランスミッションの滑らかさは、運転していて心地よい、と感じるのに大きな影響を与えます。
なお、CVTは、私はあのベルト感が好きになれません。

シャーシも非常に重要です。
首都高を走れば良く分かりますが、細かい段差が多いです。
また、北海道を1週間ほどドライブしたこともありますが、田舎の道路だと整備が行き届いていない場所もあります。
段差や凸凹をしっかりといなすことのできるシャーシの車に乗っていると、運転中の疲労感がだいぶ軽減されます。これは同乗者も一緒でしょう。

トランスミッションやシャーシの調整は、それこそ、すり合わせが重要な分野です。
この分野は、長期間にわたり自動車を製造してきたメーカーに一日の長があると思います。テスラには簡単には真似できないでしょう。

今後、トヨタは、ちきりん氏のような先見の明のあるような著名人からは「オワコン」という烙印をおされるかもしれませんが、株主に対しては、十分に報いてくれる銘柄になることを予言しておきます。

このブログが、10年続いていたら、私の予言が正しかったのか間違っていたのかを検証してみたいと思います。


たぶんつづく

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東京都, Japan
1980年代前半生まれのアラフォー。
既婚。共働き。子どもなし。
東京の東側らへんに在住。
しがない会社員をやっています。
出身地域は、関西北部の田舎。就職のため、2006年に上京。いまだに、満員電車には慣れません。

2015年11月から株式投資を開始。基本はインデックス投資[ETFもしくは投資信託]、気が向いたら、日本株の個別株投資というおおざっぱな投資が資産運用スタイル。

配当金・分配金実績[税引き後]
2016年 55,719円
2017年 59,003円
2018年 73,096円
2019年 100,241円
2020年 253,455円
2021年 332,191円
2022年 506,575円
2023年 625,566円

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