昨日のブログで、「持家か賃貸か」論争に関して、著名ブロガー ちきりん氏の書籍をご紹介いたしました。
本日は、住宅ローンの有無と資産運用計画について思うところを綴ります。
分不相応なローンは全力で避けるべし
ちきりん氏は、書籍の中で
「無理して家を買う」と「無理なく家を買う」では、こんなに違う・・・
と喝破し、言語化能力の高さを見せつけております。
これは何も家に限ったことではありません。
山崎元氏も常々主張されておりますが、ローンは金融機関への金利の支払いが発生するため、可能な限り避けるべきです。
例えば、自動車の購入なども、ローンを組む方がそれなりいると思われますが、「ローンを組まないと買えない」ものについては、本当にそのものを購入する必要があるのかをよく考えるべきです。
リボ払いは論外
衣服などをカードで購入し、リボ払いで払っている人は、どうしようもなく金融リテラシーが低いです。
山崎元氏は、大学生相手に授業をしていた際に、学生に対して、
「恋人がリボ払いをしていたら、その人とは絶対に結婚してはいけない」
とまで言っていたそうですが、私も100%同意します。
住宅ローンがある人は株式投資をしても良いのか
山崎元氏は、「借金の返済に勝る運用は滅多にない」と主張されており、住宅ローンがある人の株式投資を推奨していません。これは、ある意味当たり前のことなのですが、日本の場合、「住宅ローンがある人は株式投資をしてはいけません」と言ってしまうと、多くの現役世代が株式投資ができなくなってしまうので、一般常識として語られることはありませんが、身も蓋もない事実だと思います。
たまに、
株式投資の期待リターンは、8%。住宅ローンの金利は3%。だから、株式投資をする方が住宅ローンを繰り上げ返済するよりも経済的なのだ!
と主張されている人もいるのですが、上記の考え方は、明確に誤っています。
どこが誤っているのでしょうか?
下記のように「住宅ローンの返済」と「株式投資」を「リスク」と「期待リターン」の2つの観点から理解すべきです。
- 住宅ローン: リスク無し。 期待リター 3%
- 株式投資: リスク有り。 期待リターン 8%
住宅ローンの金利よりも株式投資の方が予想される利回りが高いとしても、株式投資には株式のリスクがあるので、同列には比べられません。(同列に比較することは誤り。)
上記のイメージ図ですと、期待リターンだけを見ると
- 株式投資 > 住宅ローン金利 > 債券
となっていますが、リスクは株式投資の方が大きくなっています。
住宅ローンは、前倒しで返済すれば100%確実に金利分を削減できます。
一方、株式投資は、投資金を株式に投じた時点では、期待リターンは約束されておりません(リスクがあります。)。
結果論ではなく、最適な事前の意思決定を
事後的な結果論の世界では、運用がうまくいった場合に「住宅ローンの繰り上げ返済なんかせずに、株式投資をしておけば良かった」ということはありえます。
しかしながら、意思決定の段階では株式投資ををしても、運用結果がいまいちとなる可能性もあるのですから、「事前の意思決定」を行う時点では、住宅ローンを繰り上げ返済することが、ほとんど常に経済合理的なのです。
(「ほとんど常に」という注釈をいれたのは、住宅ローンについては、税控除など色々な特例措置もありますので、100%ではないと思われるからです。)
多くの投資家の皆様が、住宅ローンを抱えながら株式投資も行っているとは思いますし、それについて他人がとやかく言う権利はありませんが、単純に算数の問題として、
- 「住宅ローンを抱えながら株式投資を行うのは、経済合理的ではない」
という事実ははもっと一般的になってもよいと思います。
たぶんつづく
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