前回に引き続き、COVID-19によりみえてきたもの/考えたことについて、しばらく綴ろうと思います。
需要の蒸発ではなく、需要のシフト
著名ブロガーのちきりんさんが、4月6日のブログで、壊滅度別の業界リスト(新型コロナ編)を書かれており、大変考えさせられました。
メディアでは、よく「需要の蒸発」という言葉が使われるのですが、逆に、COVID-19によって、ものすごく忙しくなっている業界もあります(例、スーパー、ドラッグストア、物流)。
もう、しばらく回復は無理なんじゃないかと思うような業界もあります(例、旅行関連の業界、観光関連の業界、エンターテインメント関連の業界)。
感染症のパンデミックが与える影響は、業界によって千差万別でした。
冷静になれば、「まあ、たしかにそうだよな」とは思うのですが、業種によって、ここまで影響度合いに差がでるのは、想定外でした。
リーマンショックの時は、金融収縮が原因でしたので、「全産業が満遍なく不況」という状況でしたが、この点は、コロナショックとは異なります。
逆に言えば、コロナショックの場合は、需要が増えた業界に身を移せば、糊口をしのぐことができるとも思います。
テレビでは、
「居酒屋でバイトしていた学生が、緊急事態宣言によってバイト代がなくなり、退学も検討している。カワイソウダー」
というような報道がありますが、私なんかは、
「居酒屋でバイトできなければ、スーパーやコンビニでバイトすれば?」
と思うのですが、なぜ、学生は、バイト先の変更を考えないのでしょうか。
案外、バイト先への忠誠心があるのですかね?もしそうだとしたら、そんな忠誠心なんか横に置いといて、スーパーやコンビニでバイトして、バイト代を稼ぎましょう。
東京オリンピックがなければ、、、
大打撃を受けた業界の代表である「旅行関連の業界、観光関連の業界」については、「2020年度は東京でオリンピックが開かれるし、近年インバウンドの観光客がうなぎのぼりだし」という勢いにのり、レバレッジをかけて投資していた方も多いと思います。その意味で、この関連の業界の人たちの失望度合いは高いでしょう。
もちろん、ビジネスには、常に何らかのリスクがあるのですから、「感染症のパンデミックというリスク要因も事前に考えておくべきだった」、と後付けで言うことはできるのですが、ここまでの影響が出ると予想することは難しかったのではないでしょうか。
オリンピックは、翌年度に延期されましたが、はたして、このままの状況ですと、1年後に開催することができるのか、不安になります。
オリンピックの開催年に感染症が流行するというのは、客観的にみて、運が悪かった、とは思います。
柔軟性と適応力
5月1日のブログに書きましたが、やはり、これからの時代(というかこれまでもそうでしたが)に必要とされる能力は、柔軟性・適応力なのでしょう。想定外の外部環境の変化が生じたときに、ただ、立ちすくむだけでなく、「自分自身が変化していこう」という気持ちを常に持ち続けたいと思います。
たぶんつづく